いつもNOT A HOTEL Newsletterをご購読いただきありがとうございます。
今回の配信は、代表濱渦のnoteより、NOT A HOTELを始めた理由をお伝えさせていただきます。NOT A HOTELへの想いが詰まった記事となっておりますので、皆様是非最後までご覧いただけますと嬉しいです。
先日、ようやく「NOT A HOTEL」をリリースして、少しホッとしているところです。
「NOT A HOTEL」とはなにか?
それは、自宅にも、別荘にも、ときにはホテルにもなる、まったく新しい暮らしの拠点です。
僕らが描いているのは「世界中にあなたの家を」という世界観。
地球上のあらゆる場所に「NOT A HOTEL」をつくって、自分の家が世界中にある状態がつくれたら素敵だな、と思っています。
住宅の「D2C」を実現する
NOT A HOTELで特徴的なのが、各部屋を「オンラインで」販売するところ。オーナーに住宅を「直接」販売するのです。
つまり「住宅のD2C」です。
サイトでマンションのカタログを見ることはあっても、住宅を販売するショッピングカートのついたサイトは、これまでほとんどなかったのではないでしょうか?
僕は2007年に起業して以来、ずっと「eコマース」をやってきました。もともと「アパレルEC」専門のサービスをやってきて、2015年にはZOZOグループ入りもさせていただきました。
「次に、ECで何を売ることができるかな?」
そう考えた結果、出てきたのが「住宅を売る」というアイデアでした。そこで住宅という商品を「カートに入れる」ことのできる直感的なサイトにしたのです。
ただ、先日の発表では「住宅を今すぐ購入」というインパクトが独り歩きしてしまったので(ありがたいことなのですが!)、もう少し丁寧に説明させていただくことが必要だなと感じました。
そこで今回のnoteでは、NOT A HOTELが、どういうビジネスモデルで、どういう世界を目指しているのか?について詳しくお話ししたいと思っています。
投資商品として「NOT A HOTEL」はどうなのか?
先日のリリース時に「投資商品としてNOT A HOTELはどうなのか?」という議論が起きました。
そこで僕らの見解をお伝えしておきます。
結論から言うと「投資商品としては魅力的ではない」というものです。
たとえば「3580万円でNOT A HOTELを毎年30日使える」SURFという部屋があります。シミュレーターで利回りを計算すると約2%といった数字が。
3580万円の投資で利回り2%……。
これは、いい数字ではないでしょう。よって、NOT A HOTELを単純な投資商品として見ることは意味がない。お客さまに対しても、はっきりと「投資商品としてご購入いただくのはオススメしません」とお話ししています。
「ホテルを家にする」というご提案
ただ、こう考えてみるとどうでしょうか?
旅行に年間何十万円も使う人は多くいます。いいホテルだと一泊何十万円もします。旅行費だけで、年間百万円以上使っている人もいるでしょう。
僕らが提案しているのは「ホテルを暮らす場所にする」のが、経済的にもいちばんメリットがあるよということです。
たとえばNOT A HOTELの3580万円の部屋は、普通のホテルだと「超スイート」です。300平米くらいあって、プールもサウナも付いている。
仮に、そこに1日20万円で年間30日泊まるとすれば600万円かかる。ということは、もし6年以上使うなら、購入金額の3580万を超える計算になります。
単純な投資商品として「利回りだけ」で見ると微妙ですが、「旅行などのレジャー支出全体」で考えると経済的なメリットも大きいと思うのです。
自分で利用しながら楽しめる「第三の資産」
しかもNOT A HOTEL は「ホテルの利用権」だけを販売しているわけではありません。「資産を保有する」ことになるので、通常の不動産のように売買することも可能です。
仮に数年後、買ったときと同じ金額で売れたとすれば、それまで楽しんだホテルの利用は無料になるようなものです。
もちろん値崩れのリスクは全ての不動産で起こりえます。僕たちができることは、流通しやすいセカンダリマーケットプレイスをつくる※ことと、著名な建築家の作品が「資産になる」というあたらしい価値をつくる事かなと思っています。
(※セカンダリーマーケットについてはまた詳しくnoteに書きたいと思ってます)
債券や株はあくまで利回りを求める資産ですが、NOT A HOTELは「自分で利用しながら楽しめる第三の資産」。みなさんに新しい選択肢を提供できればと思っています。
ホテルや別荘のビジネスモデルを再考する
僕は宮崎の出身なのですが、宮崎から東京に来てよく仕事をしていました。そこで年間100日くらいはホテルに泊まっていました。
だから、ホテルはすごく好きなんです。
ただ、ちょっといいホテルだとそこまで広くなくても1泊で10万円以上したりします。いつも「なんでこの料金になるのだろう?」と疑問に思っていたんです。あるとき調べてみると、理由がいくつか見えてきました。
ひとつは空室の存在です。
当然ですが、ホテルの稼働率をつねに100%にすることは難しいでしょう。稼働率が50%だったら、50%の空室を維持する費用がかかります。ビジネスモデル上、その部分のお金も誰かが負担せざるをえなくなります。
また、ホテルを建設するときに銀行からお金を借りていると、その金利分もホテルの料金に乗っている場合もあります。
他にも理由はあるのですが、このようにホテルのビジネスモデルを考えると、どうしても料金は上がってしまいます。
もうひとつ気になっているのは、別荘についてです。
いま別荘は、コロナがきっかけでここ数十年でいちばん動いているといいます。ただ、軽井沢の別荘の管理会社に聞くと、オーナーの年間の平均利用日数は20日から40日くらいしかないそうです。
これもちょっともったいないな、と思うわけです。
ホテルも別荘もビジネスモデルを考えると、どうしても「もったいない」部分が出てきてしまう。NOT A HOTELは、そういった課題も解決していけないかなと思っているんです。
「好きでやってる人には勝てない」 前澤さんの教え
NOT A HOTELができた経緯についても、少しお話しさせてください。やっぱり影響を受けているのはZOZOの創業者、前澤さんです。
前澤さんは、常日頃からZOZOのみんなに「好きでやってる人には勝てないよ」と話していました。いまは能力だけならみんな優秀です。だから、好きなことじゃないと頭ひとつ抜けられないよ、ということを教えてもらったんです。
ZOZOを辞めた後も、様々な事業を立ち上げたり、宇宙に挑戦したりと、それを一番近くで実践して背中を見せてくれたのも前澤さんでした。
たしかに「ZOZO」は服が大好きな人ばかり。海外を見ても「Spotify」は音楽が大好きな人がつくったことが伝わってきますし、「Shopify」も自分のスノーボードを売るためにシステムをつくったのが始まりだそうです。それがもう何兆円もの会社になっているわけです。
「じゃあ、僕が好きなことってなんだろう?」と考えたときに、年間100泊していた「ホテル」だったり、あと「食」とかそっちかなと思いました。
それで、ホテルをやることに決めたんです。
銀行でお金が借りられなかった
ちょうどその当時、たまたま宮崎市からホテル用地を借りることが決まっていました。宮崎市の「青島」という場所です。
そこでいまの建築プランに近いものを携えて銀行に行ったのですが、結論から言うとお金は借りられませんでした。
それは「1部屋300平米」のプランだったのですが、銀行さんからは「10分割して30平米にしたら検討できます」と言われたのです。そのとき「あっ、だから日本のホテルってみんな一緒なのかもしれない」と気づきました。
しかたなく、銀行以外の調達方法を考えることにしました。
そして「D2Cでオーナーに先に販売すればいいんじゃないか」というアイデアが出てきたのです。
「別荘は年間30日くらいしか稼働しない」ということも知っていました。ということは、残り330日を僕らがホテルとして運用すればいい。そうすれば、ホテルをつくる側は金利を安く調達できますし、オーナーさん側にも無駄がなくなります。
いまのビジネスモデルになったのは、銀行で融資が受けられなかったこともきっかけのひとつです。
あのとき僕が30平米の部屋を10個つくっていたら、まったく違うモデルになっていたでしょう。「THE HOTEL」になってたかもしれない。「ホテルじゃないものをつくろう」ということでつけた名前が「NOT A HOTEL」だったのです。
「エアビー」じゃダメなのか?
NOT A HOTELのビジネスモデルを説明すると「Airbnbがあるじゃん」と言われることもあります。「普通に別荘とか家を買っても、貸せば儲けられるよね」と。
でもエアビーは、いざ貸そうとするとけっこう大変なのです。旅館業法に合わずホテルにできなかったり、運営が煩わしかったりする。実際にやってみようと思ってもなかなかできないし、オペレーションコストが高くて挫折してしまう人も多くいます。
NOT A HOTELとエアビーはどこが違うのか?
それは、エアビーが「住宅を借りる側」「ホテルとして泊まる側」のことを主に考えているサービスで、僕らはどちらかというと「オーナー側」のことを考えてつくっているサービスという部分です。
ホテルとして運用したいときは、NOT A HOTEL側がオペレーションをすべておこないます。
当初は「自宅とホテルをワンタップで切り替え」というキャッチコピーを用意していました。今はもう「ワンタップ」すらなくして、オーナーが使わなかったときは自動的にホテルになる仕組みになっています。
オーナーがするのは収益の確認だけ。清掃の手配なども必要ありません。
自分が部屋を使う日を設定しておけば、それ以外のところは勝手にホテルとして運用され始める。これはかなりラクだと思います。
未使用時の収入は「固定」です
「でも、ホテルとしての稼働が少ないと儲からないよね?」と思われるかもしれません。
でも実は、未使用時の収入は安定しているんです。
物件を自宅として使わなければ、自動的に「使わなかった日数✕決まった金額」が「未使用時の収入」として入る仕組みになっています。
ホテルが稼働したかどうかは関係ありません。稼働していない分は、僕らが買い取る保証が付いている。このへんもけっこう間違って捉えられています。未使用時の収入というのは「固定」なのです。
ある物件を半分ホテルとして貸し出せば、月々お支払いいただく管理費と未使用時の収入はトントンになります。光熱費も含めてトントンになる。
だから、半分自分で楽しんで半分貸し出せば、ランニングコストはかからなくなる設計になっているのです。
建築とテクノロジーが好きな人に届けたい
つい経済性の話が多くなってしまうのですが、注目してほしいのは「建築」です。
建築のつくりも、いままでの高級ホテルのような華美なものとは一線を画しています。ヒエラルキーの最上級というイメージではなく、最先端の「新しい豊かさ」。そこを理解してくださる方に、まず最初にオーナーになっていただきたいのです。
いまNOT A HOTELに興味を持って頂いてる方たちは、どちらかいうと「建築として好き」といったみなさんです。
ホテルや別荘にお金を払うより、NOT A HOTELのほうがいい。そこにプラスして、建築やテクノロジーの素晴らしさを評価して買ってもらえれば、いまは競合がいないと思っています。
実際にホテルができあがれば、きっと感動してもらえるはずです。「これならたしかにこの値段だな」とわかってくれるはず。
完成まで楽しみにお待ちいただければと思います。
僕らが考える未来の暮らし方
世界中にあなたの家をーー。
それが僕らのつくりたい未来の暮らし方です。
NOT A HOTELの物件をひとつ買うと、他のNOT A HOTELと「相互利用」ができるようになります。
普通は、新しい物件ができたときに「あっ、そっち買っとけばよかった!」と思いがちです。でもNOT A HOTELであれば、新しい物件ができるたびに「こっちにも泊まれる家が増えた!」と思ってもらえます。
こうやってアプリで、明日はどこで暮らそうか?を選んでるだけでワクワクしてしまいます。
「宮崎だけでなく、那須にも家が増えた」「今度は北海道や沖縄にも家ができた」という感覚です。
いずれは海外にもNOT A HOTELをつくりたいと考えています。僕は色白ですが夏が好きなので、オーストラリアに家があると一年中夏になって楽しそうだなと妄想しています。
「ニューヨークに住んでみたい」「ローマに住んでみたい」「ドバイに住んでみたい」……これまでそういう夢は、夢のままでした。
でもNOT A HOTELがあれば、それが叶います。世界中に自分の家が増えていく感覚が味わえるわけです。
夢を成り立たせるためには経済ロジックが必要
少し長くなりましたが、言いたいことは伝わったでしょうか?
僕が「NOT A HOTEL」を始めた本当の理由。
それは「投資用物件を広めたいから」ではありません。そうではなくて、新しいライフスタイル、新しい暮らし方の世界観、そのものをつくっているんです。
そして、そこには「経済的なロジック」が必要だということです。
使っていないときに貸せる仕組みが必要だった。それは決して「利回りを得るため」ではなく「新しいライフスタイルを成り立たせるため」です。
「自分が住んでいないとき、他の家を使うとき、ホテルにできる」という仕組みがないと成立しない。そうでないと、結局家を2つ買わないといけなくなります。「自分がいないときにホテルになる」ことが収入につながる仕組みがあるから、このライフスタイルが実現できる。
経済性とライフスタイルは矛盾しません。というより、経済性があるから、理想の暮らしが実現できると考えています。
夢物語だけ描いてもダメだし、お金のことばかり考えていては、いいものはできない。理想の未来と経済的なロジックが両立してこそ、最終的に新しい世界をつくることができる、そう信じながら今日もNOT A HOTELをつくり続けています。
今回のニュースレターは、代表濱渦のnoteより、NOT A HOTELのビジネスモデルを紐解きながら、私たちが考える未来の暮らし方と実現していきたい新しい世界をお伝えさせていただきました。
次回の配信も是非楽しみにお待ちください。